住宅ローンを組むとき、最も悩むポイントの一つが「金利タイプの選び方」ではないでしょうか。変動金利は安いけどリスクがある、固定金利は安心だけど高い…。どちらを選べばいいか迷ってしまうのは当然のことです。
結論から言うと、金利タイプに「これが正解」という万能な答えはありません。大切なのは、自分のライフプランやリスク許容度に合ったタイプを選ぶことです。
この記事では、3つの金利タイプの特徴をわかりやすく比較しながら、現在の金利動向を踏まえた選び方のポイントを解説していきます。

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住宅ローンの3つの金利タイプを比較
1. 変動金利型
市場金利に連動して、半年ごとに金利が見直されるタイプです。現在、最も金利が低いのが変動金利の最大の魅力です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 金利が最も低い(2026年5月時点で0.5%〜1.1%台が中心) | 将来の金利上昇リスクがある |
| 金利が下がれば返済額も減る | 返済額が確定しないため家計の見通しが立てにくい |
| 固定から変動への変更が可能な場合が多い | 金利が急上昇した場合の負担増が大きい |
変動金利には「5年ルール」と「125%ルール」という金利上昇時の負担を緩和する仕組みがあります。
- 5年ルール:金利が上がっても5年間は月々の返済額が変わらない
- 125%ルール:返済額の見直し時も、前回の125%を超えない
返済額が変わらなくても、利息と元金の内訳は変わっています。元金の返済が進まなくなるリスクがある点は覚えておきましょう。
2. 全期間固定金利型
返済開始から完済まで金利が変わらないタイプです。代表的なのがフラット35です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 返済額がずっと一定で家計管理がしやすい | 変動金利に比べて金利が高い(2026年5月時点で1.9%〜2.7%台) |
| 金利上昇のリスクがゼロ | 市場金利が下がっても恩恵を受けられない |
| 将来の返済計画が立てやすい | 月々の返済額が変動金利より多くなる |
全期間固定は「安心料」としてやや高い金利を支払うイメージです。金利上昇リスクを完全に排除できるのは大きな安心材料と言えます。
3. 期間固定金利型(固定金利期間選択型)
最初の一定期間(2年・5年・10年など)だけ金利を固定して、固定期間終了後に変動金利か再び固定金利を選ぶタイプです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 固定期間中は返済額が確定する | 固定期間終了後の金利が読めない |
| 全期間固定より金利が低い | 固定期間終了時に金利が大幅に上がるリスク |
| 子育て期間など支出が多い時期だけ安定させられる | 変動金利よりは金利が高い |
変動と固定の「いいとこ取り」に見えますが、固定期間終了後の金利上昇リスクが最大の注意点です。特に「当初引き下げプラン」を選んだ場合、固定期間終了後に金利の引き下げ幅が縮小されて、実質的な負担が大きく増えることがあります。

金利動向と金利タイプの選び方
現在の金利環境
日銀の金融政策正常化に伴い、金利は上昇傾向にあります。変動金利も徐々に上がってきていますが、まだ歴史的に見れば低水準を維持しています。
金利の最新情報は日本銀行の統計ページ(www.boj.or.jp・サイト終了)で確認できます。
変動金利が向いている人
- 金利上昇時に繰り上げ返済できる貯蓄や余裕がある
- 返済期間が短め(20年以下)を予定している
- 借入額が比較的少額
- 金利動向を定期的にチェックする意欲と知識がある
全期間固定金利が向いている人
- 返済額が変わるのが精神的に不安
- 返済期間が長め(30年以上)
- 共働きを辞める予定など、将来の収入減の可能性がある
- 金利の動向を気にし続けるのが面倒
期間固定金利が向いている人
- 子育て期間中だけ安定させたい
- 固定期間終了後に繰り上げ返済で大幅に残高を減らす計画がある
- 10年以内に住み替えや売却を考えている
金利タイプ別の返済シミュレーション
借入額3,500万円、返済期間35年で比較した場合のシミュレーションです(一般的な金利水準で試算)。
| 金利タイプ | 金利 | 月々返済額 | 総返済額 |
|---|---|---|---|
| 変動金利 | 年0.5% | 約90,855円 | 約3,816万円 |
| 10年固定 | 年1.2% | 約101,858円 | 約4,278万円 |
| 全期間固定 | 年1.8% | 約112,384円 | 約4,720万円 |
変動金利と全期間固定では、月々の差が約21,500円、総返済額の差が約900万円にもなります。ただし、変動金利は金利が上昇すればこの差は縮まる(逆転する可能性もある)ため、単純比較はできません。年収別の返済額シミュレーションは以下の記事で詳しく解説しています。



金利タイプで失敗しないための3つのポイント
1.「今の金利だけ」で判断しない
「変動金利が安いから」という理由だけで選ぶと、金利上昇時に後悔する可能性があります。金利が2%まで上がったらいくらになるかをシミュレーションして、それでも返済できるかを確認しましょう。金利上昇に備える具体的な方法は以下の記事でまとめています。



2. 繰り上げ返済の計画を立てておく
変動金利を選ぶなら、金利上昇に備えて繰り上げ返済の原資を貯めておくことが大切です。「変動金利の返済額+固定金利との差額を貯蓄」という方法が有効です。
3. ミックスローンも検討する
借入額の一部を変動、残りを固定にする「ミックスローン」という選択肢もあります。たとえば半分を変動金利、半分を全期間固定にすることで、リスクを分散しつつ金利メリットも享受できます。
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住宅ローンの金利タイプに関するよくある質問
Q. 変動金利から固定金利に途中で変更できる?
多くの金融機関で変更可能ですが、変更時点の金利が適用されます。金利が上がった後の変更では「高い固定金利」を選ぶことになるため、金利が上がり始めてからの変更では遅いケースが多いです。変動と固定の違いについては以下の記事で詳しく比較しています。



Q. 金利が上がったらどれくらい返済額が増える?
借入額3,500万円・35年の場合、金利が0.5%上がると月々の返済額は約8,000〜9,000円増えます。1%上がると約16,000〜18,000円増える計算です。家計への影響を事前にシミュレーションしておきましょう。
Q. 住宅ローン控除を考えるとどの金利タイプがお得?
住宅ローン控除は借入残高の0.7%が所得税・住民税から控除される制度です。変動金利が0.5%の場合、実質的に「利息以上の控除」を受けられるケースもあります。ただし控除には適用期間があるため、長期的な視点で判断してください。
Q. 夫婦でそれぞれ別の金利タイプを選べる?
ペアローンを組む場合、夫婦それぞれが別の金利タイプを選択できます。たとえば夫が変動金利、妻が固定金利といった組み合わせで、世帯全体のリスクを分散する方法もあります。
まとめ:金利タイプ選びは「自分のリスク許容度」で決める
- 変動金利:金利が最も低いが、上昇リスクを自分で負う
- 全期間固定:金利は高いが、返済額が確定して安心
- 期間固定:中間的だが、固定期間終了後にリスクがある
- 大切なのは「金利が上がっても返済できるか」を基準に選ぶこと
- 迷ったらミックスローンでリスク分散もアリ
住宅ローンは35年という長い付き合いになります。目先の金利の安さだけでなく、自分の家計やライフプランに合った金利タイプを選んでください。


金利タイプの比較にはフラット35公式サイトのシミュレーションツールが便利です。金利の推移データは住宅金融支援機構でも公開されていますので、過去の金利動向も参考にしてみてください。
※この記事の金利は一般的な水準を示したものであり、実際の金利は金融機関や審査結果によって異なります。
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