ローンを組むときに必ず出てくるのが「固定金利にする?変動金利にする?」という選択です。正直、よくわからないまま選んでいる方も多いのではないでしょうか。
この選択は住宅ローンの総返済額に数百万円の差を生むこともあり、非常に重要な判断です。しかし、どちらが正解かは将来の金利次第なので、誰にも断言できません。
この記事では、固定金利と変動金利の違いをできるだけシンプルに説明し、それぞれに向いている方の特徴をご紹介します。自分に合った金利タイプを選ぶ判断基準にしていただければ幸いです。

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固定金利とは
固定金利は、借入時に決まった金利がずっと変わらないタイプです。「全期間固定」なら完済まで同じ金利、「10年固定」なら10年間は同じ金利(その後は変動または再選択)になります。
メリット
- 返済額が確定するため家計の見通しが立てやすい
- 金利が上がっても自分には影響がない
- 将来の不安がなく精神的に安心
デメリット
- 変動金利より金利が高い
- 金利が上がらなかった場合、余計に利息を払ったことになる
変動金利とは
変動金利は、市場金利に連動して定期的に金利が見直されるタイプです。通常は半年に1回金利が見直され、5年に1回返済額が変更されます(5年ルール)。
メリット
- 固定金利より金利が低い
- 金利が下がれば返済額も減る
- 短期間で返済するなら利息を最小限に抑えられる
デメリット
- 金利が上がれば返済額が増える
- 将来の返済額が読めない
- 最悪のケースでは返済が苦しくなる可能性がある

金利水準の目安
参考までに、住宅ローン金利の目安を紹介します。
| 金利タイプ | 金利の目安 |
|---|---|
| 変動金利 | 年0.5%~1.1%台(2026年5月時点) |
| 10年固定 | 年2.6%~3.1%程度(2026年5月時点) |
| 全期間固定(フラット35) | 年1.9%~2.7%程度(2026年5月時点) |
変動と全期間固定で約1.0%~1.6%の金利差があります(2026年5月時点)。3,000万円・35年のローンだと、この差は総返済額で数百万円の違いになります。
どっちを選ぶべき?
固定金利が向いている方
- 返済額が変わるのが不安・ストレスな方
- 将来の収入が大幅に増える見込みがない方
- 金利が上がったら家計が厳しくなる方
- 返済期間が20年以上の長期の方
変動金利が向いている方
- 金利が1~2%上がっても返済に余裕がある方
- 繰上返済で早期完済を予定している方
- 貯蓄が十分にありリスクを取れる方
- 返済期間が10年以下と短い方
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変動金利の「5年ルール」と「125%ルール」
変動金利には多くの金融機関で以下の安全装置が設けられています。
5年ルール:金利が変わっても、5年間は毎月の返済額を変えない。
125%ルール:返済額を見直すときも、前回の返済額の125%(1.25倍)を超えないようにする。
これらのルールのおかげで、金利が急上昇しても返済額が急に跳ね上がることはありません。ただし、利息の支払いが増える分、元金の返済が遅れるため、返済期間が延びたり最終返済時に残額を一括で支払う必要が出たりする可能性はあります。元利均等返済と元金均等返済の違いは以下の記事で解説しています。



迷ったときの考え方
「結局どっちがいいかわからない…」という方は、こう考えてみてください。
「金利が○%上がったらどうなるか」をシミュレーションしてみましょう。金利が1%上がった場合、2%上がった場合の返済額を計算して、それでも家計が大丈夫なら変動金利でOKです。厳しいなら固定金利を選んだほうが安全です。金利上昇への具体的な備えは以下の記事で解説しています。



シミュレーションは住宅金融支援機構のツールで無料でできます。
ミックスローンという選び方もある
固定か変動かの二択で迷ったときは、両方を組み合わせる「ミックスローン」という考え方もあります。借入額の一部を固定金利、残りを変動金利にして、それぞれのメリットを取り入れる方法です。
- 金利が上がっても固定部分は影響を受けないため、全体の負担増を抑えられる
- 変動部分では低い金利の恩恵も受けられる
- 金利上昇のリスクと低金利のメリットをバランスよく取り込める
ただし、ローンが2本立てになるため管理がやや複雑になり、手数料が二重にかかることもあります。どちらか一方に決めきれない方の折衷案として知っておくと、選択肢が広がります。取り扱いのある金融機関かどうかは事前に確認しておきましょう。
金利タイプは途中で変更できる?
「最初に選んだら最後まで変えられない」と思われがちですが、実はある程度の変更は可能です。多くの金融機関では、変動金利から固定金利へ、あるいは固定期間が終わったタイミングで金利タイプを選び直せる仕組みがあります。
変動金利で借りていて「金利が上がりそうで不安になってきた」というときに、固定へ切り替えて返済額を安定させるという使い方もできます。ただし、切り替えのタイミングでは固定金利がすでに高くなっていることも多く、思ったほど得にならない場合もあります。変更にはタイミングと手数料の見極めが必要だと覚えておきましょう。


固定金利と変動金利についてよくあるご質問
Q. 結局、どちらを選ぶ人が多いのですか?
低金利が続く局面では、金利の低さを重視して変動金利を選ぶ方が多い傾向があります。一方で、返済期間が長く家計に余裕を持たせたい方は固定を選ぶこともあります。どちらが正解というものではなく、リスク許容度で選ぶのが基本です。
Q. 変動金利の「5年ルール」とは何ですか?
金利が変わっても5年間は毎月の返済額を据え置くルールです。あわせて、返済額を見直すときも前回の1.25倍を超えないようにする「125%ルール」もあり、返済額が急に跳ね上がらない仕組みになっています。ただし利息が増えた分、元金の返済が後ろ倒しになる点は理解しておきましょう。
Q. 途中で繰上返済すると金利タイプ選びは変わりますか?
繰上返済で早期完済を予定しているなら、変動金利の低さを活かしやすくなります。逆に長期でコツコツ返す予定なら、固定で返済額を確定させる安心感が生きてきます。返済スピードの見込みも判断材料の一つです。
Q. 金利が上がったらすぐ返済額も上がりますか?
変動金利でも5年ルールがある場合、すぐに毎月の返済額が変わるわけではありません。ただし見直しのタイミングで負担が増える可能性はあるため、金利が1~2%上がった場合の返済額を事前に試算しておくと安心です。
Q. 迷ったときの判断の決め手は?
「金利が上がっても家計は大丈夫か」をシミュレーションで数字にしてみることです。上がっても耐えられるなら変動、厳しいなら固定という考え方がわかりやすい判断基準になります。
金利タイプを選ぶ前に確認したいこと
固定か変動かを決める前に、自分の家計と返済計画を整理しておくと判断がぶれにくくなります。次の点を確認してみましょう。
- 返済期間はどのくらいの長さになるか
- 繰上返済で早期完済を目指すのか、長期で返すのか
- 金利が上がったときに使える貯蓄の余裕があるか
- 返済額が変わることにストレスを感じるタイプか
返済期間が長く、金利上昇に備える余裕が少ない場合は、返済額が確定する固定金利の安心感が生きてきます。反対に、短期間で返す予定があり貯蓄にも余裕があるなら、変動金利の低さを活かしやすくなります。
大切なのは、目先の金利の低さだけで決めないことです。変動金利は今の返済額が魅力的でも、将来の金利がどうなるかは誰にも予測できません。だからこそ「金利が上がっても家計は耐えられるか」という視点で考えることが欠かせません。自分のリスク許容度と家計の余裕をベースに選べば、あとから後悔しにくい選択ができます。迷ったときは、金利が上がった場合の返済額を数字で試算してみるのが一番の判断材料になります。
固定金利と変動金利のどちらが正解かは、将来の金利次第であり、誰にも断言できません。だからこそ、他人の意見や目先の金利の低さだけで決めるのではなく、自分自身のリスク許容度と家計の余裕をものさしにして選ぶことが何より大切です。返済期間や繰上返済の予定、金利が上がったときに耐えられるかどうかを一つずつ整理していけば、自分に合った金利タイプがおのずと見えてきます。判断に迷ったら、シミュレーションで返済額を数字にしたうえで、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみるのもよい方法です。
まとめ
- 固定金利:返済額が確定して安心だが金利は高め
- 変動金利:金利が低くてお得だが将来のリスクあり
- 金利差は総返済額で数百万円の違いになることも
- 「金利が上がったら家計は大丈夫か」で判断するのがポイント
- どちらが正解かは誰にもわからない(将来の金利次第)
固定金利と変動金利、どちらが正解かは誰にもわかりません。将来の金利がどうなるかは予測できないからです。大切なのは、自分のリスク許容度と家計の余裕をベースに判断すること。金利推移と今後の見通しは以下の記事で詳しく解説しています。



迷ったら日本FP協会のファイナンシャルプランナーに相談してみるのもおすすめです。金利タイプの基本的な解説は全国銀行協会のサイトでも確認できます。


※この記事の金利は記事執筆時点の目安です。最新の金利は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
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